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ドラマ「ゆとりですがなにか」レビュー

あまロスならぬ、ゆとりロスです。(笑)前クールのドラマの中で一番おもしろかったです。あまり視聴率はふるわなかったようですが、最初から最後まで観たのは、「ゆとりですがなにか」だけでした。

脚本は、大好きなクドカンこと宮藤官九郎さん。もうそれだけでテンション上がります⤴

しかし、なんでそんなに面白かったんだろう。考えてみました。

 

いつものクドカンさん作品もそうですが、登場人物のキャラが濃い。

あの松坂桃李くんの存在すら薄れてしまうほど、みんなのキャラが濃いいい。あ、もちろん桃李くん演じる山路のキャラもすごく濃いのですよ。

主人公のまーくんこと坂間正和役の岡田将生くんがコメディもこなす役者さんであったとは。神は二物も三物も与えてくださる。まっすぐで不器用ないけてそうでいけてない青年。

まりぶ役の柳楽優弥くんも負けていません。柳楽さんは、14歳の時の初主演映画「誰も知らない」カンヌ国際映画祭で当時史上最年少で男優賞をとり話題になりました。

目力があって、将来が楽しみな俳優さんだなーと思っていたら、「おっぱいいかがすかー。」(笑)いえいえ、決してバカにしているわけではありません。

昔から柳楽くんを知っている人は少々ショックを受けたのではないでしょうか。見事にぼったくりキャバクラの客引き役を演じました。

「誰も知らない」以降、みんなが柳楽くんの登場を楽しみにしていた頃、ご本人は体調を崩したり安定剤を大量に服薬してしまったり、いろいろ葛藤されていたようです。

でも今は、同じ堀越高校卒のモデルの豊田エリーさんとご結婚され、お子さんもいてとってもお幸せそう。仕事も順調なようで、お母さんは安心しました。


まーくんの恋人宮下茜役の安藤サクラさんは、今回初めて見たと思います。最初はなんでこんなかわいくない子がまーくんの彼女なんだろう。と思いました。ところが、回を重ねるごとにふしぎなことに茜ちゃんがとってもかわいく見えてきました。

なんだろう。普段は仕事のできるキャリアウーマンだけど、心が優しい、損得なんか考えない役柄。もちろん役柄的な性格の可愛さもあるのでしょうが、安藤サクラさんの魅力にヤラレタという感じです。最後は茜ちゃん大好きになりました。

だけど一番印象に残ったのは、実はまーくんの後輩のさらにゆとりちっくな山岸役の太賀くん。「まじすかー。」が、なぜか忘れられない。あんな後輩いたらやだけど、なんか憎めない。これからどんな役をやるのか楽しみな役者さんです。

あ、まーくんの妹ゆとり役のAKB48ぱるること島崎遥香ちゃんもがんばっていました。娘のはなちゃん(17歳)はぱるるファンなので喜んでいました。

「ゆとり」ってなんでしょう。もちろん、文部科学省失敗した教育改革のことです。「ゆとり教育」によって、公立の学校の土曜日が休みになり、教科書は薄くなり、円周率が3になりました。もっと総合的な学習をして生きる力をつけようとしたのだと思います。

しかし、結果的に失敗に終わりました。学力が低下してしまったのです。

でも世間はこの「ゆとりだから・・・」という言葉を便利な言葉として利用しているように感じます。何があっても「ゆとりだからね。」と言えば、「じゃあ、しかたないか。」とまるくおさまる。

ゆとり世代は、「ゆとり、ゆとり」言われてうんざりかもしれないけれど、もしかしたら得していることもあるかもしれませんね。

最終回の結婚式の場面は素敵でした。着物を着て神社まで行列して歩いていく。ああいう結婚式もいいですね。もう一度できるならやってみたい。無理だな。

結局、みんな不器用だけど素朴でまっすぐ。おかげでハッピーエンドという、気持ちのいいドラマでした。


ところで愛子が子育てをしている時、ベビーカーを押しているとドアを持っていてくれたり、赤ちゃんを抱っこして電車に乗ると席を代わってくれたりしたのは、このゆとり世代の子が多かったように思います。

みんなほんわかあったかいんですよね。自分の勉強が一番大事、自分さえよければ、なんて雰囲気が微塵もない。

「ある意味、ゆとり教育は成功だったのかも。」と、このドラマを観てしみじみ思いました。